株式会社クアンド(本社:福岡県北九州市/代表取締役:下岡 純一郎/中野 雅俊、以下 クアンド)は、三谷産業株式会社(本社:石川県金沢市/代表取締役社長:三谷 忠照、以下 三谷産業)と共同で、建設業の業務効率化と人材不足という業界課題の解決に向けてクアンドの開発する次世代型コミュニケーションツール「SynQ(シンク)」の実証実験を行いました。
近年、建設業界ではデジタル技術の活用への取り組みが進んでいますが、現状では旧態依然とした業務慣習や非効率なコミュニケーションが多く残っており、施工現場で働く人の業務負荷がとても高い状況が続いています。加えて、技術者や現場管理者の高齢化、成り手不足による深刻な人材不足は業界全体の大きな課題となっています。
三谷産業では、空調・給排水衛生設備の設計・施工管理を行っていますが、建設業界全体の人材不足などの問題を背景に、業務効率化と負荷低減に向けたIT活用に積極的に取り組んできました。そうした中で、クアンドの開発する「SynQ」が施工管理業務の中でのコミュニケーションを大幅に効率化できる可能性があると判断いただき、2019年12月より実際の施工現場において試験的に導入を開始しました。
施工現場では、設計図からの要件変更の確認・共有や、納まりの不具合が発生した際の状況共有・相談など、現場作業員のみならず施設のオーナーやユーザーを含む複数のステークホルダーとコミュニケーションをとることがしばしば必要となります。
そうした際に、従来はステークホルダーそれぞれと個別に電話等で確認をとっていましたが、「SynQ」を導入することでグループチャットの形で一度に関係するステークホルダーへ確認できるようになるほか、その会話の内容を自動でテキスト化して履歴として残すことが可能となります。
従来の遠隔支援ツールはスマートグラスなどの高額な機器を必要とし、初期投資額が100万円を超えることもあり、中小・中堅企業にとって導入ハードルが高いものでした。
「SynQ」はスマートフォンアプリ、またパソコンからのWebブラウザ対応したシステムであり、インターネット環境とモバイル端末やPCがあればすぐに低コストで始めることができます。
約2か月間の実証実験を通して、主に現場事務所と施工現場との間のコミュニケーションのために要する時間を大幅に短縮できるという結果が得られました。
具体的には、施工現場にいる若手担当者から現場事務所にいるベテランに質問・確認が必要になった際に、従来はベテランが事務所から現場に駆け付ける必要があり、その移動だけでも往復約20分間を要していました。
そこへ「SynQ」を導入したことで、遠隔でもARビデオチャットによって正確な状況把握と明瞭な指示が可能になったほか、やりとりをグループチャットによって関係者全員に共有することができるようになり、コミュニケーションの効率が大きく改善されました。さらに、現場で生じた疑問の相談・解消を迅速かつ正確にできることから、若手の担当者にも安心して現場を任せやすくなるという効果も得られました。
今後、次世代コミュニケーションツール「SynQ」は、2020年5月にβ版をリリース、さらに2020年秋に正式リリースを予定しています。
(補足情報)
【三谷産業グループについて】 https://www.mitani.co.jp/
三谷産業グループは、化学品、樹脂・エレクトロニクス、情報システム、空調設備工事、住宅機器、エネルギーの6つの事業を持つ複合商社です。1928年に金沢で創業して依頼、現在は金沢と東京の二本社体制を持つ三谷産業株式会社を中心に、子会社28社(日本18社、海外10社)で事業展開しています。商社でありながらも、製造・物流などの機能をあわせ持ち、さらに技術部門とも連携した提案型営業を推進しています。また、時代に先駆けて自らを変化させるべく、スタートアップ企業との協業などを通じて最新技術の活用や新規ビジネスの創出を推進し、お客様にとっての最適を追求しています。
【株式会社クアンドについて】 http://quando.jp/
株式会社クアンドは、2017年に設立した福岡のスタートアップ企業で「地方産業・レガシー産業のアップデート」をミッションとして掲げ、九州地域を中心にデジタルトランスフォーメーション事業を展開しており、第一弾の自社プロダクトとして「SynQ」の開発に取り組んでいます。
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社クアンド SynQ事業部 E-mail:cs-support@quando.jp
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